Photo © Hiroshi Ueda
Photo © Ryumei Fujiki
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Aqua-scape

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Year
2006

オール・プラスチック建築のプロトタイプ

これは、2006年夏に新潟で開催された『第3回大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2006』に出品した作品です。工学院大学藤木研究室の学生たちと一緒に制作しました。越後妻有地方の中心地である十日町は絹織物や着物にゆかりの深い町で、2003年に初参加した際には、“きもの”に着目し、この“きもの”という言葉を、「和服」という意味だけでなくもう少し広い意味で「衣服」ととらえて、街の中のいろいろなモノに服を着せていってはどうかというアイデアで作品を展開しました。2回目の参加となる今回は、プラスチック素材を織物のように編むことによって空間をつくりだすことに挑戦しました。建築を構成する全ての部材がプラスチック素材のみでできています。このとき目標としたのは、「クラゲ」のように骨のない、柔らかくて不定形な、水のような建築でした。

柔らかいプラスチック素材を用いて骨のない建築をつくることはとても難しく失敗の連続でしたが、あるとき、紙を折り曲げたときにできる凹凸を利用して構造的に強くする形態抵抗構造のアイデアを思いつきました。この建築は、一枚のシートを折り曲げてできる形でつくられています。同時に、1m×4mの素材を織物のように編み込むことで、大きな空間を作り出すことができました。

2005年に起きた新潟中越地震の後だったこともあり、こどもたちに笑顔を取り戻してもらおうと思い、こどもたちだけが入ることのできる特別な空間としました。この建築は、恩師である原広司先生の設計された越後妻有交流館の中庭にある水の上に浮かべたのですが、展示期間中、数多くのこどもたちの笑顔に出会うことができました。

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