軽井沢深山の家

長野県, Japan
Foto © Hiroshi Ueda

旧軽井沢を見下ろす別荘地の、東向き斜面に計画された住宅。9.9m×9.9m の正方形平面による、極めてプライマリーな立方体ボリュームによって計画されています。
この建築は、リビング / ダイニングを中心とした「開かれた内部」と、その他の空間の「閉じられた内部」によって計画されています。

「開かれた内部」とはいわば立方体から「くり抜かれた」部分で、建築という「閉じた空間」の中において「開かれた場所」になります。

一方「閉じられた内部」とは、機能的には私室やサニタリー、書斎などであり、それらの空間はリビング / ダイニングからは見えません。そこに行くには二つ用意された階段から上がり、リビング / ダイニングを取囲む壁の中に「入っていく」必要があります。
つまりこの建築の計画意図とは、「開かれた場所」と「閉じられた場所」を意識的に横断させていくことにあります。

建築空間とはただの「外」と「内」だけに留まらないと考えています。いまや建築は、壁に見えない薄さの壁やガラスによって、シャボン玉の膜にも似た儚い空間を指す言葉となりました。「透明な壁」「不鮮明な透明性」だけが建築の可能性なのでしょうか。建築ではもう、遠くに見る「越せない山」や「泳ぎきれない川」のように、他に空間を分ける手だては無いのでしょうか。

私は、もっと建築という塊 ( かたまり ) 自身が境界を規定していくような、そんな少々暴力的な空間を現出させてみたいと思っています。
そう思うときにいつも私がイメージするのは、ひとつの大理石の塊がノミによって切り込まれるだけで「空間」と化す、エドゥアルド・チリーダの彫刻なのです。

Bild © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Bild © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Foto © Hiroshi Ueda
Architekten
遠藤克彦建築研究所
Standort
長野県, Japan
Jahr
2010

Dazugehörige Projekte 

  • 五樟庭文旅生活馆
    Parallect Design
  • Kindergarten Müllerwis
    Walo Bertschinger AG | Bodenbeläge
  • Lanserhof Sylt
    TROPP LIGHTING DESIGN
  • Feuerwache Zeven
    abj Architekt:innen GmbH
  • Umbau / Sanierung Wohnhäuser in Emmenbrücke
    GKS Architekten AG

Magazin 

Andere Projekte von 遠藤克彦建築研究所 

Ark
東京, Japan
La Cienega West
長野県, Japan
大子町新庁舎
茨城県大子町, Japan
大阪中之島美術館
大阪市中之島, Japan
豊田市自然観察の森ネイチャーセンター
愛知県、豊田市, Japan