Foto © Hiroyuki Hirai
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House in Oamishirasatomachi

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Año
2006

都内在住のライターとデザイナーのご夫婦、遠方にお住まいのご主人のご両親、海外に在学中の2人のお子さんの計6人の新たな生活のための計画である。

クライアントは高齢のご両親のために温暖な千葉県の外房で敷地を選ばれた。
東西に長い約200坪の敷地は、北側以外は隣接した建物もなく、また四方に十分な余白を確保できることから、閉じる必要がないように思えたが、検討を重ねた結果、きちんと閉じなければきれいに開くことはできないという結論に達した。

そこで、6人が生活する上で必要な4つの個室を閉じたスペースととらえ、距離を保って均等に配置し、図と地が反転して、その中央にできた大きなスペースを皆の家族室、その周辺に浮かび上がる隙間を外に開いていく外部的な内部空間とし、玄関、インナーガーデン、キッチン、バスルームという機能を割り当てた。
光が絞り込まれる4つの個室、トップサイドライトから光が回る家族室、ガラスブロックの屋根がかかった4つの外部的な内部空間というヒエラルキーは、個から家族、そして街へと開いていくことを意図している。

各個室も全体の構成に呼応し、「壁は開くために存在している」と考え、開口部へと導くように配列することで、奥行き感や広がり、豊かな光を獲得できると考えた。

計画当初、50坪を超える平家の計画というコスト的な負担を軽減するために、土工事で発生した土をブロック内に断熱材として充填し、屋根にも根切り土を利用した屋上緑化を提案した。土質の調査により、また構造的な強度を優先させたため、実現することはできなかったが、ゴミと化す無駄な材料をできるだけ用いない、そして見えない裏側を創らないというクライアントと共有した意志が、珪藻土による壁部の外部断熱防水、内部断熱調湿、屋根部分の珪藻土断熱防水、スチール部の珪藻土断熱及び錆び止めという構造材を常に把握できる土の薄化粧を可能とし、家族の生活を受け止める基本性能の優れた土の器を創ることへとシフトしていった。
ガラスブロックを通して、刻々と変化する光と影をスパイスとして、
器に盛られる料理(生活)は、クライアントに委ねたいと考えた。

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