東松島市立宮野森小学校
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- 宮城県, Japon
- Année
- 2016
東松島市の復興にあたり、新しい教育のあり方を再考し発信することが求められ、小さな学び舎が自然の中に解放されるような建築を目指したいと考えた。心地よい空間の連続が、小集団の学びの連鎖と分離を生み、外の景色と学びの風景が光や木格子で幾重にも切り取られ、まるで万華鏡を覗いているように「流動的な学びの視覚化」つまり切磋琢磨する学び合いを実現する。これは、学びの意欲とみんなで一緒にいる事の安心感を、同時に生み出しているともいえる。児童の熱中した眼差しと笑顔、随所に飾られた作品を見れば、教室・廊下・オープンスペースと言った、よそよそしい呼び名は必要ないことがわかる。大きな屋根の下に、小さな屋根型の天蓋が居場所の目印となり、地形に沿って自然に生まれた穏やかな配列のズレは、目線の抜けや光の当たる方向をより複雑にし、等間隔が生み出す緊張感を消し去り、自然体な個としての場所性を生み出している。計画学で言うところのオープンかクローズドか、と言った事を問う意味もない。そこに居たくなる空気、何かをしたくなる、見たくなる、触りたくなる、聞きたくなる。「五感で感じる小学校」と表現するのが、適しているのかもしれない。