M House

奈良県奈良市, Japan

Foto © Yasunori Shimomura

Case monofamiliari

Architetti: クル | KURU Co., Ltd.

Sede: 奈良県奈良市, Japan
Anno: 2018

自然と共に在るための家

敷地は住宅街にあって、貯水池に面する旧農地。表通りにはわずかに接するだけの旗竿地で、南西に広がる池面が豊かな自然を感じさせるに十分でした。この自然環境を十分に取り入れたマチエールのある建築を目指しました。

建物は最も単純な矩形とし、長辺を池に面するように配置。池に面したLDKに大開口を設け、池と建物の間の全長18mのテラス空間と合せることで池との一体感を図りました。また、寝室など主要空間を池側に配置することで、自然環境に包まれながら日々の暮らしを送れるようにしました。

また建物の素材も、自然を感じることのできるものを選びました。
躯体のコンクリートはあえて普通型枠での打設とし、素朴な質感によって周辺環境に馴染むようにしました。また、窓枠は室外側をスチール、室内側を木枠とするオリジナルのディテールとすることで、細部まで豊な自然の質感を楽しめる設えを追求しました。同様に、エントランスを囲う鉄板が絵画のように錆ゆく自然の移ろいを、玄関扉やリビングテーブル・ダイニングテーブルの無垢の木板が自然の温かみを生活に与えます。

池には毎日鴨や白鷺が飛来します。この優雅な光景を楽しみながら、自然と在ることを日々感じています。