【再生と革新=Reb-O-Lution】
名古屋のビルメンテナンス企業社屋の改修計画。施主からはメンテナンスや更新しやすさに加え、デザインによる価値の向上と、その価値を長期的に維持できることを求められた。デザイン性を維持しつつ更新可能な空間構成と手法を “再生=reborn” と “革新=evolution” を “統合=O” する意味で “Reb-O-Lution” と呼ぶこととした。
【新素材や新工法によらず、維持されるデザイン】
単に新たな素材や工法、商品の採用を主とした計画は、年月の経過と共にすぐに陳腐化してしまうので、今回の計画では設備や仕上の更新など維持管理性そのものをデザインし、部分的な更新をいつしてもそこに新旧の差異が現れずデザイン性を維持することができる。
床=モザイク:
部分的に貼替えると他の部分との老朽化の差が生じ徐々に陳腐化してしまうため、モザイク状にする事で更新とともに徐々に抑揚が生れ展開していく。
壁=ストライプ:
人や物が水平移動し擦れる所は概ね横長に跡が着く。それを抑制しつつ改修時に全面を貼替えずに済むよう、水平に素材や色彩を切替えるストライプ状の空間デザイン。
天井=ランダム:
天井には空調・換気・照明・防災・通信といった設備が配され、その更新頻度は仕上より高い。それらの更新時は、天井の面材を剥がしたり塗るといった作業が多くなるが、今回は野縁(下地のフレーム)をランダムに彩色し露出させ、面材を貼る部分を限定し、床と同様に更新とともに抑揚が展開されてゆく。
【完成でもあり改修過程でもある“更新のグラデーション”】
部分的な更新を行っても既存部分の陳腐化を感じさせず、従来通りのデザイン性を維持し続けながら、その空間は時と共に新旧がグラデーショナルに一体となり深みを増す。
今回の計画が時間軸の中で単に意匠的なデザインだけではなく、また単なる素材選定や新技術の利用だけでもなく、総合的なデザイン手法構築により長く価値を維持できるあり方を目指した。