アストラムライン新白島駅

広島県広島市中区, 日本
写真 © Sadao Hotta
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建築家
シーラカンスアンドアソシエイツ
場所
広島県広島市中区, 日本
2015

広島市の中心部と、西北部の安佐南区の住宅地とを結ぶ案内軌条式鉄道、アストラムラインは、太田川が分岐する三角州の北辺で、JR山陽本腺と山陽新幹線の高架と交差する。アストラムラインはこの交差部より北側は高架を走るが、高架の南側から地下へと潜り込む。交差する二つの路線の待望の乗換駅、新白島駅は2003年より検討が始められ、2015年3月に開業した。

敷地は国道54号の中洲にある。高架と片側3車線の幹線道路という土木的スケールの構造物の網目の中に位置し、駅は円筒状のシェルによって両側の激しい自動車交通から囲い取られている。円筒シェルは、中州の道路線形に沿ったフットプリントと、地上から地下への旅客の流動に合わせた断面から決定された、厚さ9mmのリブ付き鋼板の3次元曲面からなる。

地下1階に位置するプラットホームは床下に駅務設備の配線を通し、軌道のボックスカルバートの土圧をU形の新設土木躯体によって受けることで、地上とシームレスに一体化した空間となっている。運行中の軌道構造物に躯体を増し打ちし、ホームドアのための開口を開ける土木工事、土木躯体にそのまま室内の仕上げとなる鋼製シェルを建てる建築工事ともに、難易度の高い工事となった。
シェルには大小の円形の開口が開けられることで、自然光が降り注ぐ地下駅が実現された。シェルの内壁面は円形に切り取られた太陽光を受けて、時間と天気、季節により異なる表情を見せる。

設計変更が行われた連絡通路は150×75mmの溝形鋼を2本組み合わせた軽量な格子梁と、点在する無垢の柱材が形作る屋根からなり、2階レベルのJR新駅とアストラムライン新駅を折線状に結んでいる。2階から大部分が見下ろされる屋根はツル性植物により緑化される。

開業以来、多くの方に通勤や通学のため利用されている。交通という日常生活の一部に、この駅が憩いをもたらすことができればと思っている。

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