ゴカク軒

京都府南丹市, 日本
写真 © Ryota Atarashi
写真 © Ryota Atarashi
写真 © Ryota Atarashi
写真 © Ryota Atarashi
写真 © Ryota Atarashi
写真 © Hiroshi Matsuki
建築家
空間研究所/篠原聡子
場所
京都府南丹市, 日本
2021

京都市内から車で1時間半の南丹市美山に建つ住宅。建主の子供が小学生の時にこの地で山村留学を行っていて、卒業後も長期休暇の際に遊びに来ていたため親も地域の住民と顔なじみの間柄となり、里山のコミュニティに参加していた。その経緯から、2拠点目の住処をこの地につくることとなった。

敷地は、四周を山に囲まれた小さな集落の中にあり、川のせせらぎ、木の香りが広がる長閑な場所である。まず、住宅が建ち並ぶ方向は閉じて、山並みが美しく開けた遠景を楽しむ方向や、樹形を見て楽しむ近景の方向を頼りに、多様な風景を取り込み、駐車場、プライベートな庭とパブリックな庭の3つを確保すために五角形の平面とした。その角に3つのプライベートな小屋(個室、主寝室、水回り)を配置し、それに方形の屋根を架けることで中心が高いパブリックな空間がつくられた。また、屋根荷重を合理的に分散させるため5本の登梁の中間に小屋の壁が来るように調整を行い、無柱の空間を実現している。

3つの小屋によって緩やかに分節されたスペースに、玄関、居間、キッチン、小上りの機能を与えた。3つの小屋の間はフルワイドの開口部として木製建具を壁に引き込むことで、山に抱かれた外と一体化した大きな軒下の居場所になる。集落に近い角は開口部とし、小上りを設けた。地域住民との日常的な関わりをもつ縁側として機能し、時には友人を招いて前の庭でバーベキューをしたり、囲炉裏で食事をするなど、この家の客間としての役割をもたせた。今は今週末にこの地の住民たちと寄り合い、食事をしたり、人を招いて過ごすという。

個人の2拠点居住である「ゴカク軒」は大きな軒下のもとに地域に馴染み、美山の人びとにも緩やかに開く公共性をもつことを目指した家である。

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