杉板の家

大分, 日本
写真 © Koji Okamoto
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写真 © nks architects
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建築家
NKS2 architects
2005

田園風景が広がる山裾の集落に建つ夫婦のための住宅である。限られたコストで最大限の室内空間を確保することと、この土地での暮らしを楽しむための工夫が求められた。

大分県佐伯市は、豊後水道の豊かな漁場と祖母山系の山々が連なる。海の産業として造船が盛んであると共に県南部の木材流通の拠点であった為に、造船用の足場板などの木材が比較的安価で入手できた。

建築コストを合理化するため、構造体と仕上材を兼ねて厚さ50mmx巾245mmの造船足場用杉板で建物全体をつくることにした。3角形の角を落としたオニギリのような断面形状は、杉板の標準の定尺長さが4mであることと、それを使って最大限かつ簡単に空間を確保するためにユニット化した台形ボックス接合部を組み合わせることで決まった。杉板は工場で1m巾のパネルとそれを接合する台形ボックスに加工して、現場で筒状の構造体に組み立て、その外側を断熱材と板金でくるんだ。

トップライトと腰窓は、台形ボックス部分に取り付け、細長い建物に採光と通風を確保している。非常に軽量である建物は、伝統的木造住宅のように独立基礎の上に乗っている。これは、床下通風を確保することで木材の耐久性を守り、自然の猛威で稀に起こる洪水に対する備えにもなっている。

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