seesaw coffee 華潤店

中国上海市, China
写真 © Seth Powers
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建築家
保坂猛建築都市設計事務所
場所
中国上海市, China
2019

上海発祥のcaféであるseesaw coffeeの上海華潤店。ショッピングモールの改修に伴い交差点沿いの3F部分に新店舗をオープンさせるプロジェクト。
1Fにはスターバックスリザーブが入るなどコーヒー激戦区において、seesaw coffeeは地元上海が発祥のコーヒーチェーンとして、中国原産のコーヒー豆にも力を入れ主に若い人をターゲットにした居心地の良さとフレンドリーな雰囲気、全ての店員がバリスタであることを大切にしている。

華潤店では、ショッピングモールの中でありながら屋外の気持ち良さを取り入れて寛ぐスペースを作り出すこと、中国産の豆の生産にも力を入れている企業努力を店内に表したいと考えた。
天井には、大中小の大きさの異なるステンレスミラーをコーヒー豆に模し交差点の車の動き、人の流れ、自転車の行き交う様子を屋外の気持ち良さとして店内に引き込んだ。ミラーには店内で働くバリスタの様子もつぶさに映し出され、若く活気溢れる店内と暗く仕上げた照明とが独特の雰囲気を作り出している。

この考えに至るには、本プロジェクトのコーヒーを飲む場所という考え方を根底から考え尽くすことが重要であった。何故なら3Fのfixガラスに閉ざされた店内は、ともすると“閉ざされた均一な空間”となり動かない無味な空間になる可能性もはらんでいた。中国は承知の通り人も自転車も車の交通量も多く、街は活気に溢れ誰もが、そして街全体が“動いている“。そこで、企業としての理念が詰まったコーヒー豆をミラーとすることにより、ミラーに外の様子が映し出されるだけでなく、ミラーの中で常に人や車や自転車が動いる様子は、ガラス越しに直接見る、見慣れた風景とは違う新鮮さを持って、人々の目に映る。

また、柱の陰になる場所にあえて、靴を脱ぐスペースを設け、大人の隠れ家を演出している。
暗く抑えた照明の店内は、夕暮れ時からは、コーヒー豆が浮かび上がり、交差点で待つ人や行き交う人々の視線を集める。
中国産コーヒーの豆を大切にする創業者の思いを、コーヒー豆に模したミラーやオリジナルデザインのテーブルで表した。

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