水上公園 SHIP'S GARDEN
福岡, 日本
- 建築家
- スピングラス・アーキテクツ
- 場所
- 福岡, 日本
- 年
- 2016
・水辺ならではの空間の広がりを楽しめる商業施設
敷地は三角形をしており、このうち2辺は2つの川に、一辺が明治通りに面している。
誰でも立ち寄りやすいように通り側を公園とし、二階建ての建物はその奥に、川に挟まれる形に配置した。水辺ならではの空間の広がりを楽しめ、日よけのテントが帆のように見えることと相まって、まるで船の上にいるかのように感じる。しかしわずかな敷地に建物を建てると、そのぶん公園の面積は減ってしまう。そこで建物の屋上を公園とつなぎ、誰もが自由に上がっていける広場にした。その結果、公共的な利用が出来る面積は減らさずにすみ、さらに賑わいをつくる建物2層分の面積が増えた空間を街に提供している。
・公園と建築(休養施設)が一体的に使える空間の創造:ボリューム計画
休養施設を配置しても、公園として利用できるスペースを減らさない工夫をした。
まず、誰でも公園に入りやすいよう、休養施設は敷地の先端に配置し、商業施設として成立する2F建ての床面積を確保した。
次に、屋上は公園のように使えるよう、敷地の先端側は高く、公園側は低くし、公園と建築が一体的な空間となるようなボリュームを構築した。
・福博の連携を導く「多様な場づくり」
敷地は周囲全てから見られるので裏を作らないように配慮し、前面の明治通りを歩いていても、公園の賑わいが感じられるように通りに向けてベンチやフラワーポットを配置した。公園全体は行き止まりを作らないよう回遊できる動線計画を行った。また、休養施設の屋上も含め、敷地全体に、人々が自由に休憩できるベンチを計画した。
・魅力的な夜間景観
8つの照明手法により人々のアクティビティをサポートし、福岡の新しい顔となる魅力的な夜間景観を実現している。
①リバーサイドの新しい光景
②眺望を楽しむ光
③アプローチの光
④緑の表情を取り込む光
⑤水際を演出する光
⑥アートを際立てる照明演出
⑦ランドスケープと一体となる光
⑧暗がりをつくらない安心の光
・敷地形状を活かしたゾーニング
天神・中洲周辺に位置する公園やオープンスペース等との連携や機能分担から、公園周辺の水辺や緑を見通し良く眺める。逆に周囲から「見られる」、そして「行ってみたい」と思えるような開放的な空間づくりを基本とした。敷地形状の三角形を活かして、明治通りからのアクセス、公園の奥行、川への開放感を兼ね備え、休養施設と合わせて、誰でも入りやすい公園配置とした。
・余すところなく全ての場所を魅力的に
1階の外周部や2階のテラス、そして屋上など、水辺や公園など眺める方向や対象が異なりながら、屋外空間すべてを楽しく利用できるよう計画した。とくに屋上は座れる場所をたくさんつくりおしゃべりや休憩のために使ってもらえるよう、また広めの平場には人工芝を敷きヨガなど自由に楽しんでもらえるようにした。船の帆を思わせる2枚のテントは日除けとしてはもちろん、夜には光を反射し、周辺からへの夜間景観にも寄与している。
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