斜と構
東京都墨田区, Japon
「タイニーハウスを建てたい」と建主が探してきた土地はわずか30㎡の超狭小地だった。木造住宅密集地域の特有な空気感は、路上に溢れたモノの配置により巧妙に揺らぐ生活領域と路地が密接する距離感に留まらず、建物が密集し群がることにより集団規定やその他制度を軽く飛び越えるような解放性に起因するはずだ。
ここでは一帯に建ち並ぶ狭小住宅の類型からその骨格を再考する試みとした。建物間口3.0mを開放し、奥行6.3mの前後に緩衝帯となる小さな床を積層し、周辺に慎重に参加する構えとした。またズレた床の振れ止めとして水平力を負担する立体ブレースを配し、力学的に壁量の多い下階から立体ブレースが導くその先に、スカイツリーを望む。