新富士のホスピス
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- 静岡, Japan
- Anno
- 2020
地域医療の拠点となる、末期がん患者とその家族のためのホスピスである。
この施設は、病院と在宅の中間のような役割を担うため、末期癌患者の緩和ケアに加えて、患者の家族や友人とゆっくり過ごすことができる住まいのようなホスピスを考えた。つまり病院特有の「孤立」ではなく、日常と地続きとなる終の住処である。
既存の病院に隣接した雑木林のような庭が計画地であった。この環境に新しい建物が立ち上がるのではなく、昔からそこにあるような「雑木の庭にあるホスピス」にしようと設計をはじめた。建物は既存樹木を避けるように配置し、与えられたプログラムは、コンパクトな病室、ナースステーションで、それらを結びつける「居場所」としての廊下は、雑木林を散策するようなシークエンシャルな雰囲気をもたせている。
計画は基本的に平屋で、既存樹木を避けるようにそれぞれのヴォリュームを決定し、天井の高い部屋やハイサイドライトから樹木の枝葉が見える部屋、庭に手が届く部屋などそれぞれの病室に異なる性格を与えた。外壁と内壁は地場の砂を使い、左官職人たちが丁寧に仕上げ、樹木と調和した人の手の跡を感じる柔らかな印象を持たせている。