Foto © Naoomi Kurozumi

暮らしながら必要な器が変わっていくことは、設計をするうえでは厄介なことだが、生活することの楽しみを持ち続けることでもある。ご主人の職業柄収納しきれない洋服と、奥様の趣味であるキッチン雑貨、パン作り機器、ミシン。この先も彼らの居住空間は人生を楽しくさせてくれるモノで満たされてゆく。また、新しい家族も長い設計期間の間に誕生した。これからも家族がふえることは、二人にとっては人生の喜びであるに違いない。

 

計画された住宅が、この家族の未来をなるべく規定せずに、増えていく趣味のモノや家族を柔軟に受け入れられる住まいが望ましいと考えた。建物の構成は、2層からなる4つあるコの字の箱が集まり、中央に生活の中心となる大きなスペースをつくっている。箱の1層目はそれぞれキッチン、寝室、水廻り、作業スペースと生活のインフラ機能をあて、2層目はなにも手を加えないスペースとした。この先増えていくモノに合わせて自分たちで収納をつくったり、衣装部屋にしたり、あるいは子供部屋にしたりできる余白としている。特に子供部屋のしつらえは今から先回りして決めない方がよいと考えている。

箱部分についてはキッチンや浴室などが収まる必要最低限の広さを910モデュールで構成している。この部分は部屋としてではなく、設備スペースとしてとらえ、生活の中心は、4つの箱が集まった吹き抜け部分である。ここは910モデュールにとらわれずに、隣地の窓との関係や空が見える角度、キッチンから将来、子供部屋になった場合のスペースが見えるなどの要因から箱の角度や位置を決定していった。 クライアントとの長い対話から生まれたこの住宅が、この家族の暮らしにそっと寄り添うような器であってほしいと思っている。

Foto © Naoomi Kurozumi
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未完の住まい

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Sede
千葉, Japan
Anno
2014

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