新潟の自動車整備工場
新潟, 日本
- 場所
- 新潟, 日本
- 年
- 2008
- Photos
- Koichi Torimura | Future-scape Architects
※写真: 鳥村鋼一
※※写真: ヒューチャースケープ建築設計事務所
新潟市郊外に立つローコストの自動車整備工場。ユーザー向けレンタルガレージも兼ねている。
郊外には、色や形の奇抜な施設が次々とできる一方で、単調で、灰色やベージュの建築もたくさん存在する。ここでは、奇抜さ競争に巻き込まれず、かつ、単調でもない郊外型建築をつくろうとした。小さな違いの積み重ねで、「どこか違う」建築をつくること、具体的には、つくり方をいろいろなレベルで反転させている。
外形は、認証工場のために法で定めた最低のボリューム。そういう機能的な形が、郊外型建築の基本と考え、黒い外観は、郊外では意外と少ない色で、景観の地となる色として選定した。
外観の反転
ふつうの建築と違い、各面の窓は、面する外部の様子に合わせ、高さ、割付が変わっている。異なる4つの面が角でぶつかる。
例えば、交通量の多い道路に面する南面は、車の速度に合わせた大ガラス窓のファサードになっている。道路端に、大きなテレビスクリーンを置いたような単純さで、往来する車にアピールする。西面は、洗車場に面し、歩き回る客のスケールに合わせて、高さを抑えている。
内部の反転
郊外型建築の多くは、内部を、ベージュや無彩色で仕上げているが、ここでは、正反対に、強い色を導入している。色は、中央のガラス間仕切を境に、橙から水色に切り替わる。工場内を動くたび、色の境界をまたぎ、つねに、色による反転を意識することになる。
反転の結合
少人数で運営するため、管理しやすさがクライアントの希望だった。ラウンジのデスクから、外のコイン洗車場を監視できるように、壁が、洗車場に向けて放射状に開き、その間が、待合スペースになっている。壁の両側は、鏡を貼り、死角で見えない洗車場の一部も、鏡に映る。
待合スペースは、実像と虚像、2色の色が出会う場所となる。「反転」の風景が、ここで、一つに結ばれ、待合スペースは、工場の「要」となる。
https://www.future-scape.co.jp/g200303works/g200303worksimage/g2003h02mederu/g9903h02mederu.html
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